底辺からの出発:女性用風俗バイトを始めた理由
私が女性用風俗でバイトを始めたのは、人生のどん底にいた時だった。大学を中退し、アルバイトを転々とする日々。貯金はゼロ、借金は増える一方。そんな時、友人から女性用風俗の存在を聞いた。最初は冗談かと思ったが、調べてみると意外にも需要があるらしい。
「女性のための風俗って、どんなものなんだろう?」という好奇心と、「これで借金を返せるかも」という期待が入り混じった。しかし、家族や友人の顔が頭をよぎり、躊躇した。「こんなバイト、普通じゃない」という罪悪感も強かった。
でも、生活のためには何かしなければならない。「とりあえず面接だけ」と思い、エージェンシーに連絡した。面接で驚いたのは、想像以上に丁寧な対応だった。安全面への配慮、健康管理の重要性、そして何より「NOと言っていい」という権利を強調された。
それでも、実際に始めるとなると不安だらけ。初めての客を前に、心臓が飛び出しそうだった。でも、意外にも普通の会話から始まり、徐々に緊張がほぐれていった。「こんなものかな」と思えるようになるまでに、それほど時間はかからなかった。
しかし、バイトを続けるにつれ、複雑な感情が湧いてきた。お金は確かに入ってくる。借金も少しずつ返せるようになった。でも、「これでいいのか」という疑問は消えない。家族にはもちろん言えない。友人との会話も、なんとなく表面的になっていく。
それでも、このバイトを通じて学んだこともある。女性の性について、社会の偏見について、そして何より自分自身について。「性」を商品として扱うことへの葛藤は常にあるが、同時に「女性の性的欲求」という、タブー視されがちなテーマに向き合うきっかけにもなった。
今、私はこのバイトを続けるか、新しい道を探すか、岐路に立っている。確かに底辺からのスタートだったが、ここでの経験は私の人生の一部となった。これからどう進むにせよ、この経験を無駄にはしたくない。女性の性と向き合うこの仕事は、私に多くの気づきと成長をもたらしてくれたのだから。

不安と期待の狭間:初めての客との出会い
女性用風俗でのバイトを始めて間もなく、初めての客を迎える日がやってきた。その日、私の心は不安と期待で揺れ動いていた。鏡の前で何度も髪を整え、化粧を確認する。「大丈夫、上手くいく」と自分に言い聞かせながら、指定されたホテルに向かった。
エレベーターに乗り込む瞬間、心臓が喉まで飛び出しそうだった。ノックの音が妙に大きく響く。ドアが開き、そこに立っていたのは、想像していたよりずっと普通の中年男性だった。彼の緊張した表情を見て、少し安心したのを覚えている。
最初は気まずい沈黙が流れた。しかし、彼が「初めてで、どうしていいか分からなくて…」と話し始めると、不思議と私の緊張も解けていった。「私も初めてです」と正直に伝えると、彼は安堵の表情を浮かべた。
その後の時間は、予想外の展開だった。性的なサービスを期待していたが、彼が求めていたのは主に話し相手だった。仕事の愚痴、家族との関係、人生の悩み。彼の話を聞きながら、この仕事の本質が「性」だけではないことに気づいた。
しかし、全てが順調だったわけではない。途中、彼が突然私に触れようとした時、体が硬直した。「ダメです」と言った私の声は、自分でも驚くほど強かった。彼はすぐに手を引っ込め、謝罪した。この瞬間、エージェンシーで教えられた「NOと言う権利」の重要性を身をもって感じた。
時間が経つにつれ、会話は徐々にリラックスしたものになっていった。彼の人生story、そして彼が抱える孤独感。それは、ある意味で私自身の姿を映し出しているようにも感じられた。
別れ際、彼は照れくさそうに「ありがとう」と言った。その言葉に、思わず胸が熱くなった。確かにお金をもらっての仕事。でも、誰かの心の支えになれたという実感は、予想外の達成感をもたらした。
部屋を出た後、複雑な感情が押し寄せてきた。罪悪感、安堵、そして少しばかりの自信。この仕事を続けていけるのか、まだ分からない。でも、少なくとも今日の経験は、私に新たな視点を与えてくれた。
女性用風俗という仕事。それは単なる性的サービスではなく、時に人々の孤独や悩みに寄り添う役割も果たしている。この気づきは、これからのバイト生活に大きな影響を与えることになるだろう。
上昇の兆し:リピーターを獲得し、評価が上がる日々
女性用風俗でのバイトを始めて数ヶ月が経った頃、少しずつではあるが、変化を感じ始めていた。最初は不安と緊張の連続だったが、徐々に仕事にも慣れ、自分なりのスタイルを確立しつつあった。そんな中、嬉しい出来事が起こり始めた。リピーターのお客様が増え始めたのだ。
初めは偶然かと思っていたが、同じお客様が2回、3回と指名してくれるようになった。「前回楽しかったから」「話しやすかったから」という言葉を聞くたびに、胸が温かくなる。単なる性的サービスではなく、心の繋がりを求めている人が多いことに気づいた。
あるお客様は、私との時間を「心のデトックス」と呼んでくれた。仕事のストレス、家庭の悩み、社会のプレッシャー。それらを吐き出せる場所が必要だったのだ。私は、ただ話を聞き、時には励まし、時には一緒に考える。そんな単純なことが、誰かの支えになれるなんて。
リピーターが増えるにつれ、エージェンシーからの評価も上がっていった。「お客様からの評判が良い」「対応が丁寧」といったコメントをもらえるようになった。正直、最初は罪悪感に苛まれていたこの仕事だが、誰かの役に立てているという実感は、私に新たな自信をもたらした。
しかし、全てが順調だったわけではない。中には過度に親密な関係を求めてくるお客様もいた。プライベートな連絡先を聞かれたり、デートに誘われたりすることも。そんな時は、きっぱりと断る勇気が必要だった。「仕事とプライベートは別」という線引きの大切さを、身をもって学んだ。
評価が上がるにつれ、収入も増えていった。借金の返済も順調に進み、少しずつだが貯金もできるようになった。経済的な安定は、精神的な余裕ももたらした。「この先どうしよう」と考える余裕さえ生まれ始めていた。
一方で、新たな葛藤も生まれていた。この仕事で培ったスキル、人との接し方、心のケアの方法。これらは、他の仕事でも活かせるのではないか。でも、履歴書に「女性用風俗店勤務」とは書けない。この経験をどう活かせばいいのか。
それでも、日々の仕事に誇りを持ち始めていた。社会のタブーに挑戦し、隠れたニーズに応えている。それは決して恥ずべきことではない。むしろ、多くの人々の心の支えになっているのだ。
評価が上がり、リピーターが増える日々。それは私の人生グラフの上昇期を表していた。しかし、この上昇がいつまで続くのか、そしてこの先どんな展開が待っているのか。それは誰にも分からない。ただ、今この瞬間を精一杯生きることだけは決めていた。
頂点への到達:人気No.1になった瞬間の喜びと葛藤
女性用風俗でのバイトを始めて1年が経った頃、思いもよらぬ出来事が起こった。月間ランキングで1位を獲得したのだ。エージェンシーからの連絡を受けた時、最初は耳を疑った。「私が…No.1?」信じられない気持ちと同時に、言葉では表現できないほどの喜びが込み上げてきた。
ランキング1位になったことで、予約は瞬く間に埋まり、指名料も上がった。収入は以前の倍以上になり、借金の返済どころか、将来への投資も考えられるようになった。この仕事を始めた頃の自分には、想像もできなかった状況だ。
しかし、No.1の座に就くと同時に、予想外の重圧も感じ始めた。お客様の期待は以前よりも高くなり、一つ一つの対応により神経を使うようになった。「No.1にふさわしいサービスを」というプレッシャーは、時に私を疲弊させた。
また、他の女の子たちとの関係も微妙に変化した。以前は何気なく交わしていた会話も、どこか気まずい空気が流れるようになった。嫉妬心からくる冷たい視線を感じることもあった。No.1になることで得たものもあれば、失ったものもあることを痛感した。
プライベートでも変化があった。以前は家族や友人に隠していた仕事の内容を、少しずつ打ち明け始めた。反応は様々だった。理解を示してくれる人もいれば、驚きと戸惑いを隠せない人もいた。でも、正直に話すことで、長年抱えていた重荷が少し軽くなった気がした。
一方で、この仕事の将来性について考えさせられる出来事もあった。あるお客様から「君ならもっと大きな仕事ができるはず」と言われたのだ。確かにこの仕事で学んだこと、身につけたスキルは多い。カウンセリングや心理学に興味を持ち始め、独学で勉強も始めていた。
しかし、同時に迷いも生まれていた。このまま女性用風俗の仕事を続けるべきか、それとも新しい道を探すべきか。No.1になったからこそ、より強く感じる葛藤だった。
そんな中、ある日のこと。常連のお客様から「君のおかげで、人生が変わった」という言葉をもらった。その瞬間、この仕事の意味、そして自分の存在価値を改めて感じた。確かにNo.1という称号は嬉しかった。でも、それ以上に誰かの人生に良い影響を与えられたことが、何よりも大きな喜びだった。
No.1になった今、私の人生グラフは頂点に達しているのかもしれない。しかし、これが終点ではない。ここからどう降りていくか、あるいは別の頂点を目指すか。その選択が、次の私の人生を決めることになるだろう。
下降の始まり:バイトの限界と将来への不安
女性用風俗のNo.1の座に就いてから半年が経った頃、私の中に変化が訪れ始めていた。以前は充実感や達成感で満たされていた日々が、徐々に重圧と不安に変わっていったのだ。
まず、身体的な疲労が蓄積していった。No.1を維持するために、以前よりも多くの時間を仕事に費やすようになった。睡眠時間は削られ、休日も返上することが増えた。鏡に映る自分の顔には、疲労の色が濃く表れていた。
精神的な疲労も無視できないものになっていた。お客様一人一人に最高のサービスを提供しようと努力するあまり、自分の感情を押し殺すことが多くなった。笑顔の裏で、時に涙を流すこともあった。この仕事の持つ精神的な重さを、改めて感じ始めていた。
また、将来への不安も大きくなっていった。確かに今は稼げている。でも、この仕事にいつまで需要があるのだろうか。年を重ねるごとに、求められるものも変わってくるのではないか。そして何より、この経験をどう次のキャリアに活かせばいいのか。履歴書に書くことのできない経験。それは私の将来の選択肢を狭めているようにも感じられた。
家族や友人との関係も、微妙に変化していった。仕事の内容を打ち明けてからは、以前のような気軽な会話が減っていった。理解を示してくれる人もいたが、何となく距離を置かれているような感覚も否めなかった。社会の目、周囲の目。それらが、私の心に重くのしかかっていた。
そんな中、ある出来事が私の心を大きく揺さぶった。常連のお客様が、突然来なくなったのだ。後で分かったことだが、彼は家族と和解し、新しい人生を歩み始めたらしい。嬉しさと寂しさが入り混じる複雑な感情。そして、「私も変わるべきなのかも」という思いが、心の奥底で芽生え始めていた。
仕事への情熱も、少しずつ薄れていくのを感じた。以前は心を込めて接していたお客様に対して、機械的な対応をしてしまうことが増えていった。「これでいいのか」という自問自答の日々。No.1の座を維持しているにも関わらず、心の中では下降線を辿っているような感覚があった。
収入は相変わらず良かったが、それ以上に大切なものを失っているような気がしていた。自尊心、将来への希望、そして何より、自分らしさ。これらが、少しずつ崩れていくのを感じていた。
この仕事を始めた時、人生のグラフは上昇していった。しかし今、それが下降し始めていることを、否定できなくなっていた。このまま続けるべきか、それとも新しい道を探すべきか。その答えを見つけるために、私は深く考え始めていた。
どん底からの脱出:新たな人生の選択
女性用風俗のバイトを始めてから約2年。No.1の座を獲得し、一時は頂点を極めたかに見えた私の人生。しかし、その後の下降線は想像以上に急激だった。心身の疲労、将来への不安、そして何より自分自身への嫌悪感。これらが重なり、ついに私は限界を感じていた。
ある日、鏡に映る自分の姿を見て、ハッとした。そこにいたのは、疲れ切った表情の、自分らしさを失った女性だった。「このままじゃいけない」という思いが、突如として湧き上がってきた。
決断するのに、そう時間はかからなかった。エージェンシーに辞意を伝え、最後の仕事を終えた日、複雑な感情が押し寄せてきた。解放感と不安、後悔と希望。でも、何よりも強かったのは「新しい人生を始められる」という期待感だった。
しかし、現実は厳しかった。この2年間のブランクをどう埋めるか。風俗での経験を、どう次のキャリアに活かすか。履歴書には何と書けばいいのか。悩みは尽きなかった。
そんな中、ふと思い出したのは、常連だったお客様の言葉だった。「君には人の心を癒す才能がある」。この言葉が、新たな道を示してくれた。
心理学。これまで独学で勉強していたこの分野に、本格的に足を踏み入れることにしたのだ。大学に入り直し、カウンセリングの勉強を始めた。最初は不安だったが、風俗での経験が意外な形で活きていることに気づいた。人の心の機微を理解する力、共感する力。これらは、まさに風俗の仕事で培ったものだった。
学びを進めるうちに、新たな目標が見えてきた。性に関する悩みを抱える人々のカウンセラーになること。風俗で働いていた経験を、むしろ強みに変えられるのではないか。社会のタブーに挑戦し、隠れたニーズに応える。それは、風俗の仕事の本質でもあった。
もちろん、道のりは平坦ではなかった。経済的な苦労、周囲の偏見、そして自分自身との戦い。でも、一つ一つ乗り越えていくたびに、自信が付いていった。
そして今、私は新たなスタートラインに立っている。カウンセラーとしての第一歩を踏み出すところだ。風俗での経験は、確かに人生のどん底をもたらした。しかし、同時にそれは私を成長させ、新たな道へと導いてくれたのだ。
人生のグラフは、再び上昇線を描き始めている。この先どんな山や谷が待っているかはわからない。でも、もう恐れてはいない。どんな状況でも、自分らしく生きていく勇気を、私は手に入れたのだから。
再び上昇へ:風俗バイトでの経験を活かした未来
カウンセラーとしての道を歩み始めて3年。女性用風俗でのバイト経験を経て、人生のどん底から這い上がってきた私は、今、新たな高みを目指していた。
最初は不安だらけだった。「過去の経歴が知られたらどうしよう」「本当に人の役に立てるのだろうか」そんな思いが頭をよぎることもあった。しかし、クライアントと向き合うたびに、その不安は薄れていった。
風俗での経験は、予想以上に私の強みとなっていた。性に関する悩みを抱える人々の気持ちを、身をもって理解できる。社会のタブーとされる話題にも、真摯に向き合える。そして何より、人の心の機微を読み取る力。これらは全て、風俗で培ったスキルだった。
ある日、一人の女性クライアントが私に打ち明けてくれた。「あなたには話しやすい。何も隠さなくていいような気がする」と。その瞬間、胸が熱くなった。かつて風俗で多くの男性の心の支えとなったように、今度は違う形で人々の心の支えになれている。そう実感できた瞬間だった。
しかし、全てが順調だったわけではない。過去の経歴が明らかになることへの恐れは、常に私の心の片隅にあった。ある日、その恐れが現実となった。同業者のコミュニティで、私の過去が話題に上がったのだ。
最初は、パニックに陥りそうになった。でも、深呼吸をして考えた。「隠すべきことは何もない。むしろ、それは私の強みだ」と。勇気を出して、自分の過去と、そこから学んだことを正直に話した。
驚いたことに、多くの人が理解を示してくれた。「そんな経験があるからこそ、深い共感ができるのね」「むしろ尊敬します」という声さえ聞かれた。この出来事は、私に新たな自信をもたらした。
その後、私のクライアントの幅は更に広がった。性産業で働く人々のメンタルケア、LGBTQの方々のカウンセリング、そして性教育のワークショップなど。かつてはタブーとされていた分野で、私は活躍の場を広げていった。
そして今、私は一つの大きな決断をしようとしている。自分の経験を本にまとめ、出版すること。風俗で働いていた過去、そこでの学び、そして現在のキャリアへの繋がり。全てを包み隠さず書くつもりだ。
この決断には、まだ不安もある。しかし、それ以上に強い思いがある。私の story が、同じような境遇にある人々の希望になれるかもしれない。社会の偏見を少しでも変えられるかもしれない。
人生のグラフは、再び大きく上昇している。しかし今回は、単なる成功や地位ではない。自分らしく生き、社会に貢献できているという充実感。それこそが、私が求めていた本当の「上昇」だったのだと気づいた。
風俗でのバイト。それは確かに人生の大きな下降をもたらした。しかし同時に、その経験こそが、今の私を作り上げたのだ。人生に無駄な経験はない。その信念を胸に、私は新たな未来へと歩みを進めている。

大学進学費用を工面するため、女性用風俗店でアルバイトをしていた主人公、武久(むく)。
入学金120万円を貯蓄するため、一生懸命働いていた。
しかし、担任教師が客としてバイト先にやってきたことがきっかけで、秘密にしていたアルバイトが周囲に露顕、結局、通っていた学校を退学になってしまう。
時が経つのは早いもので、それから1年、初恋の人(早川)と結婚した武久は、AV男優として生計を立てることに成功。妻子と共に、慎ましくも幸せな日々を送っていた。
そんなある日、元担任の女性教師から呼び出されて・・・・。
コメント